スパムメール(Spam Mail)

[意味]  
 不特定多数にばらまかれる広告や,詐欺まがいの情報,"不幸の手紙"や善意を装ったデマといったチェーンメールなど,迷惑とされる電子メールのこと。特に,受け手の都合を無視し,大量にばらまかれる宣伝などがスパムメールと呼ばれることが多い。  メールアカウントを詐称するなどして発信者を突き止められないようにし,大量のメールをばらまく行為は,なかなかなくならない。最近では,無償で利用できる"フリーメール"と呼ばれるサービスが広く利用できるようになったため,こうしたメールアカウントを使って発信する場合も多い。そこで,多くのメールサーバでは,自組織と直接関わりのないメールの中継は行なわないように設定して,スパムの中継を防いでいるのが一般的である。  スパムの発信や中継に使われたメールサーバでは大量のメールの処理に追われてサーバがダウンしたり,他のメールの配送が遅延したりといった迷惑を被ることが考えられる。度を超せば,DoS(Denial of Service)といった悪意あるセキュリティ侵害と同等のものとなる。ウイルスの警告や一見有益そうな情報に見せかけて,知り合いに転送するよう依頼する"チェーンメール"の体裁をとるものもあるが,これを真に受けて大量に配布したりすると,自分がスパムメールの発信元と見なされることもあり得るので注意が必要。

[語源について]
モンティパイソン説  
 モンティ・パイソンの寸劇のひとつに,ある夫婦がカフェ(この夫婦以外の客は全員がヴァイキング)で朝食を注文すると,そのカフェのメニューは,全ての料理にスパムが使われている。そして夫人が"スパムは嫌いよ,スパムが入っていない料理はないの?"と文句を言うと,ヴァイキングの一団が"スパム,スパム,スパム,かわいいスパム!素晴らしいスパム!"と迷惑なコーラスを繰り返すというものがあった。この事から,見知らぬ広告主によって(つまり,欲しくもないものを)繰り返し送られてくる悪質な広告メールが,スパムと呼ばれるようになった。

南カリフォルニア大学のコンピュータ研究所説
 PC Webopaediaというコンピュータ用語に関するオンライン・ディクショナリーは,モンティパイソンのスパム・ソング(無価値な文字の終わりのない繰り返し)以外にもう一つの有力な説を付け加えている。南カリフォルニア大学のコンピュータ研究所が,迷惑な電子メールは,加工肉食品の品質に共通する点があると言い出したことから始まったというものだ。Webopaediaには,"誰も望まない,頼んだおぼえもない。かつて誰も食べたことがない。たまにおいしいと感じることもあるが,それは1%のジャンクメールが一部の人にとって有用であるのと同じだ"とある。

[スパムについて]
 スパムは,良くハムと混同されることが多いが,実際には「ランチョン・ミート」と呼ばれる加熱食肉製品で,豚の肩肉とハムを挽いたものに塩,砂糖,水,亜硝酸ナトリウムを加え,乾燥加工後缶詰にされている。